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CFT、活用効果、聞き手メリットで結ぶ

2015年6月12日 / 営業強化

先日、あるビジネス交流会に参加してきました。

交流会では「自社を1分で紹介(PR)」する時間が設けられていました。

 

事前に内容を考えてみると、1分でまとめるというのはなかなか難しいです。

長すぎず、短すぎず、何をどう伝えたら良いか。

交流会では、他社のPRを興味深く聞きました。

 

原稿を片手に読む人、ジェスチャーでとにかく主張する人、マイクを使わず大声で話す人・・・

皆さんが様々な伝え方でPRをしていました。

 

内容面でも、

製品の売り込み一辺倒の人、事業の設立経緯の説明に終始する人、優位性をまくしたてる人、30秒で終わってしまう人・・・

と様々でした。

その中で、分かりやすく魅力的に感じる内容がいくつかありました。

・ 事業紹介:どのような技術を誰にどのように提供しているのかが分かる内容

・ 製品紹介:製品の特徴と活用効果を伝え、活用イメージを持ってもらう内容

・ 結び:売り込み一辺倒ではなく、コラボレーション(協業)という視点で結んでいる内容

 

整理しますと、

● 事業紹介は、CFTの要素で端的に伝えると分かりやすいと思います。

 C(顧客:Customer):誰に

 F(機能:Function):何を、どんな機能を

 T(技術:Technology):どうやって、どんな技術提供

 これは、事業ドメインの分析要素としてデレク・F・エーベルが提唱しているものです。

● 製品紹介は、特徴と共に活用効果を伝えるとイメージが高まりやすいです。

● 結びの言葉は、聞き手のメリットになる内容が良いようです。

 

CFT → 活用効果 → 聞き手メリットで結ぶ。どれか1つを入れるだけでも効果的だと思います。

お客さまへの会社紹介で活用できるのではないでしょうか。

(立ち居振る舞いや表情、声などのプレゼンテーションスキルがあれば尚更ですね)

継続のポイント

2015年5月15日 / その他

前回(ポジティブさが継続に繋がる)の続きです。

ネガティブにポジティブな自己対話が勝ち、精神や肉体を支えてくれる。

今までの経験からポジティブが勝つときには、いくつかポイントがあるように感じると書きました。

そのポイントは3つあると考えています。

 

ポイント1:目標

 ・目標達成が具体的で魅力を感じるとき

 ・何のために?どのようにしたら達成できるか?、が自分で理解・納得しているとき

 ・何とか到達できそうな目標だと感じているとき

ビジネスでよくいわれる、SMART目標(※)になっているときですね。

 

ポイント2:道のり

 ・途中まで順調にきているとき

 ・そこにくるまでに、様々な積み重ねがあるとき

 ・準備をしっかりとしているとき

 

ポイント3:思考

 ・ネガティブとポジティブは、ポジティブのほうが強いと信じているとき

 ・気持ちには波があるもので、ネガティブの次はポジティブがくると思っているとき

 ・カウントダウン(残り〇〇・・・)をしていないとき

 

上記のような状況を意図的に作りだせば、継続に繋がりそうです。

ビジネスでも活かしたいことです。

 

※SMART目標

 英国における政策評価で用いられる5つの基準の頭文字。

 コンサルタントが用いる目標設定基準として広がった。

 効果的な目標設定の基準として活用できる。

 Specific (具体的か)

 Measurable (測定可能か)

 Achievable (目標は無理がないか)

 Relevant (目的と手段の関係は適切か)

 Timed (時期や期限は)

ポジティブさが継続に繋がる

2015年4月23日 / その他

ネガティブに考える、ポジティブに考える、人は両方を持っています・・・

 

趣味でランニングをしています。

元々は健康目的で始めたのですが、いつしか大会にも出るようになりました。

10km大会、ハーフマラソン(約21.1km)やフルマラソンにも挑戦しています。

 

ハーフマラソンまでの距離とフルマラソンでは、大きく違う点が自分にはあります。

フルマラソンでは、ネガティブになっていく脳や体との自己対話があるという点です。

 

ハーフマラソンまでは、タイムやペースなどを考えているうちにゴールが見えてきます。

しかし、フルマラソンは長い・・・

 

25kmを過ぎたあたりから、体のどこかが痛みだし・・・

30kmを超えたあたりから、苦しさの波がやってきます。

 

体の痛みと共に、脳がネガティブモードになってきます。

「もう記録更新は狙えないから少し休もうか」「何でこんなに辛いのに走っているの」など。

 

選択肢は2つ。

① ネガティブな自己対話を容認し、少しだけ歩く

 → 体はどっと重くなり、再び走ることがしんどくなります。ゴールまでがかなり遠く感じます。

②(意識的に)ポジティブな自己対話をぶつけ、自分を励まし、休まない

 → 苦しさは消えませんが、和らぐ時もあり、走り続けられます。

 

②のときのほうが、結果が良かったのは言うまでもありません。

ネガティブにポジティブな自己対話が勝ち、精神や肉体を支えてくれる。

ポジティブさが継続に繋がる。

 

フルマラソンはまさに実感できます。

様々な自己対話をじっくりとすることができる貴重な機会です。

 

ポジティブがネガティブモードに勝つには、ポイントがあるように思います。

それは次の機会に。

心の師を育てる

2015年3月30日 / その他

人は自己対話をします。

自己対話の中で、もう一人の自分に話しかけたり、

もう一人の自分から諭されたりしています。

 

もう一人の自分は、一番近くて、一番影響力のある存在です。

なぜなら、もう一人の自分との対話によって、

その人の感情(喜怒哀楽など)や思考(判断、要求、目標など)に

大きな影響を及ぼすからです。

 

私は、

もう一人の自分という存在を意識すること

その存在を心の中にいる師だと思うこと

が大事だと思っています。

 

私たちは日々、新しい出来事に直面したり、難しい判断を迫られたりします。

心の師が成長していないと、最適な反応や判断ができないかもしれません。

より良い反応や判断ができるように、この「心の師を意識的に育てる」ことが

必要なのではないでしょうか。

 

では、どうやって育てるのでしょう。

私は「学ぶこと(=教養を深めること)」で心の師は育つと思います。

つまり、感情や思考に重大な影響を与える心の師を育てるために、自ら学ぶということです。

 

心の師を育てる、そのために意識的に学ぶ、学びの機会を作る。

そう思うと、学びの意欲が高まるような気がします。

 

心に師を持つ、その師を育てる・・・

営業とは

2015年2月27日 / 営業強化

営業とは何でしょう?営業は何をする人なのでしょう?

 

セールスとも言われることから、

狭義では、

● 利益を得る目的で“製品、サービスを販売する人”

といえます。

 

一方、「本日は営業しております」という表現もあり、

広義では、

● 利益を得る目的で“事業を営む人”

ともいえます。

 

事業には、その事業を行う目的があります。

それが事業の存在価値、つまり“理念”や“使命(ミッション)”です。

 

よって、事業を営むとは、

“事業(理念や使命)を営む(体現している)人”

といえるのでないでしょうか。

 

皆さんの会社の営業はどちらでしょう。

 

製品、サービスを販売する人?

理念や使命を体現している人?

繋ぐということ

2015年2月6日 / その他

次の人に繋ぐ。そのことが力になることがあると思います。

 

例えば、

「自分の成長のため」で行っていた仕事が、

年を重ねると共に「次の人のため」といった意識に変わった。

そして、技能伝承することが仕事のやりがいになった。

などです。

 

自分の中から生まれるモチベーションで、はじめは進んだとします。

しかし、進むにつれ、それに限界を感じる人もいます。

そんなとき、次の人に繋ぐという責任が、モチベーションの源泉になることもあります。

 

時に、モチベーションが落ち、「少し休憩・・・」という状態になっても、

「次の人のため」という意識が鼓舞してくれます。

むしろ、それを意識することによって、走り続けることができると思います。

 

繋ぐということ、それは組織や次の人のためではなく、

自分の能力を飛躍させるために大事なことなのではないでしょうか。

 

 

 

ということを、駅伝大会に参加することで改めて感じました。

用語を定義する

2015年1月16日 / 組織開発・人材開発

用語の理解は難しい、用語の定義はさらに難しい・・・

ナレッジ、ノウハウ、ハウツー、よく使われる用語ですが、理解はさまざまだと思います。

皆さんは、これらの用語の違いをどのように定義しますか。

 

辞書や、その他調べた内容に今までの経験を加えて、自分なりに定義してみました。

● ナレッジとは「付加価値のある情報、知識、ハウツー、ノウハウ全て」(広い範囲)

● ノウハウとは「ものごとのやり方に関する知識、ハウツーをまとめたもの」(中位の範囲)

● ハウツーとは「断片的な1つの方法や技術」(狭い範囲)

といえると思います。

 

それでは、同様によく使われるナレッジ・マネジメントはどうでしょうか。

「社員が業務で得た個別のノウハウを企業全体で共有し、問題解決や商品開発に役立てようとする経営手法。」(大辞林より)

「企業の知識資産を全社的に管理・共有し、新たな意思決定や行動に生かす経営手法のことで、「知識管理」「知識経営」とも訳されます。社内外の情報や社員の経験・ノウハウなどを集積、共有化し、新しい知識の創造を促します。」(人事労務用語辞典より)

 

これもまた、自分なりに定義してみますと、

● ナレッジ・マネジメントとは「業務で得たノウハウ等を組織的に共有・活用することで業績を上げようとする経営手法。」

といえると思います。

 

さて、こうして定義してみると、改めて気づいたことが2つありました。

1つめは、普段何気なく使っている用語も、お互いの理解が曖昧である場合が多いということ。

用語の意味を確認することで、理解や使い方が明確になると思いました。

 

2つめは、用語の定義からポイントや留意点の見えることがあるということ。

例えば、ナレッジ・マネジメントは「共有し、活用する」ことが必要ですが、ナレッジは前述の「付加価値のある情報、知識、ハウツー、ノウハウ全て」なので、共有や活用が難しいのです。

そこで、ナレッジ・マネジメントをするためには、「ナレッジを共有し、活用できるようにする工程」が必要になります。

この「工程」にナレッジ・マネジメントのポイントがあるように思います。

 

皆さんも、普段使っている曖昧な用語を定義してみてはいかがでしょうか。

実践共同体を通して課題を見つける

2015年1月7日 / 組織開発・人材開発

今年は羊年ですね。羊の視野は270~320度もあるそうです。

それ位視野が広がれば、様々な課題も見えてきそうです。

今年記載する内容が少しでも視野を広げることに繋がれば幸いです。

 

「実践共同体:Communities of Practice」ウェンガー、レイヴ、1991年)という概念があります。

これは、「あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を持続的な相互交流を通じて深めていくコミュニティーを作る。そのことが知識の向上や創造に役立つ」という考えです。

 

つまり、継続的に知識や技能を共有し、知識創造する集団を作ることが組織の知識向上に役立つということです。

この考えは、知識や情報の管理だけでナレッジ・マネジメント(※)することは難しいことも示唆しているように思います。

実践共同体の概念が全てとは思いませんが、自社のナレッジ・マネジメントの課題を考えるヒントになるのかもしれません。

※業務で得たノウハウを組織的に共有・活用することで業績を上げようとする経営手法。

 

実践共同体を構造するには3つが必要であるとウェンガーは言っています。

領域:メンバーが関心を持っている特定の知識領域がある

共同体:領域について共有し、学びあう集団である

実践:知識を得るツールや場、活動がある

 

上記3つは自社のナレッジ・マネジメントをチェックする視点の1つになる思います。

例えば、

<領域>

 ・ ナレッジの目的、領域が明確か

 ・ 社員の関心を高める働きかけを行っているか

<共同体>

 ・ 自分がメンバーであるという当事者意識があるか

 ・ 情報を出すだけではなく、自分が学べる場であるという認識があるか

 ・ その情報を学べるものに概念化・体系化できているか

<実践>

 ・ ナレッジを収集する仕組みや機会はあるか

 ・ 継続する工夫や働きかけができているか

などです。

 

この実践共同体、SECIモデルを組み合わせて見るという視点も良いと思います。

知的資産の人的資産

2014年12月5日 / 組織開発・人材開発

自社の強みは?社員はそれを知っている?

 

知的資産経営という経営手法があります。

経済産業省によると、


 ● 知的資産経営とは、

自社の強みである知的資産(バランスシートに計上されている以外の無形の資産、人材、技術、知的財産、組織力、顧客とのネットワーク等)を把握し、それを「見える化」することで、企業の内部・外部における経営活動に活かしていく経営手法。

 ● 想定されるメリットは、

・ 取引先等の信頼度が向上し、営業の促進につながる。

・ 非財務情報が見える化されるため、資金調達面で有利になる。

・ 企業価値が明確になり、従業員の士気向上につながる。

・ 事業承継(経営そのものの承継)にも役立つ。

などが挙げられる。

 [経済産業省 知的資産経営ポータルより引用]


とのことです。

 

この知的資産経営を実践していくうえでは、まず自社の知的資産を知ることが必要になります。

知的資産には、把握しやすいもの(特許権や経営理念など)もありますが、把握しにくいものもあります。その代表的なものが、人的資産(ノウハウや技能など)です。

 

しかし、人的資産を「見える化(=可視化)」することで、

● その事業において自社の強み・弱みを知ることになる

● 業務改善に活かすことができる

● 社員教育の方向性が明確になる

というメリットがあります。

 

私は、知的資産経営の考え方は、自社の各事業部単位でも活用すると良いと思っています。

その事業部の知的資産を把握し、それを「見える化」することで、事業計画策定や人材の採用・教育、業務改善などに活かせるからです。

 

TASCIは、知的資産における人的資産の可視化もお手伝いしています。

イノベーションを創造するリーダーの条件

2014年11月20日 / 組織開発・人材開発

イノベーションを創りだせるリーダーの条件とは・・・

 

先日、ハーバード・ビジネススクール教授 ロザベス・モス・カンター氏の講演を聴きました。

ハーバード・ビジネス・レビュー元編集長でもあり、“Thinkers50(http://www.thinkers50.com/)”という「最も影響力のある経営思想家」トップ50人にも選ばれた方です。

「イノベーションを創造するリーダーの条件」として、下記5つを挙げていました。

 

<イノベーションを創造するリーダーの条件>

① 周りの環境に注目する

 ・ 好奇心を持ってギャップを見出すことができるかどうか

② 新しいアイデアに対してオープン

 ・ 固執せずに、見方を変えることができるかどうか

③ ビジョンを描き、説明し、コミュニケーションをとる

 ・ ビジョンを明確に描けるかどうか

 ・(原稿を見なくても話せるくらい)情熱的に説明できるかどうか

 ・ 説明するだけではなく、ビジョンについてコミュニケーションできるかどうか

④ コラボレーションすること

 ・ パートナーを見つけ、共にイノベーションを起こすことができるかどうか

  (オープンイノベーション的なことができるかどうか)

⑤ 粘り強さ

 ・ いろいろな障害にもあきらめずに粘り強くできるかどうか

 

③にある“ビジョン”について、コミュニケーションできることが必要であると述べていたことが印象に残りました。

ビジョンを作ることや説明することまではできても、それで終わりとしている人が多いのではないかと思うからです。

 

また、④にある“コラボレーション(以下コラボ)”も印象に残りました。

自分たちだけで行うことに固執せず、コラボする。

“コラボ”、言うのは簡単ですが、本業で利害が絡んだものでもコラボするには、意識の転換が必要だと感じます。

 

内省への良い機会となりました。