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カテゴリー「組織開発・人材開発」の記事

知的資産の人的資産

2014年12月5日 / 組織開発・人材開発

自社の強みは?社員はそれを知っている?

 

知的資産経営という経営手法があります。

経済産業省によると、


 ● 知的資産経営とは、

自社の強みである知的資産(バランスシートに計上されている以外の無形の資産、人材、技術、知的財産、組織力、顧客とのネットワーク等)を把握し、それを「見える化」することで、企業の内部・外部における経営活動に活かしていく経営手法。

 ● 想定されるメリットは、

・ 取引先等の信頼度が向上し、営業の促進につながる。

・ 非財務情報が見える化されるため、資金調達面で有利になる。

・ 企業価値が明確になり、従業員の士気向上につながる。

・ 事業承継(経営そのものの承継)にも役立つ。

などが挙げられる。

 [経済産業省 知的資産経営ポータルより引用]


とのことです。

 

この知的資産経営を実践していくうえでは、まず自社の知的資産を知ることが必要になります。

知的資産には、把握しやすいもの(特許権や経営理念など)もありますが、把握しにくいものもあります。その代表的なものが、人的資産(ノウハウや技能など)です。

 

しかし、人的資産を「見える化(=可視化)」することで、

● その事業において自社の強み・弱みを知ることになる

● 業務改善に活かすことができる

● 社員教育の方向性が明確になる

というメリットがあります。

 

私は、知的資産経営の考え方は、自社の各事業部単位でも活用すると良いと思っています。

その事業部の知的資産を把握し、それを「見える化」することで、事業計画策定や人材の採用・教育、業務改善などに活かせるからです。

 

TASCIは、知的資産における人的資産の可視化もお手伝いしています。

イノベーションを創造するリーダーの条件

2014年11月20日 / 組織開発・人材開発

イノベーションを創りだせるリーダーの条件とは・・・

 

先日、ハーバード・ビジネススクール教授 ロザベス・モス・カンター氏の講演を聴きました。

ハーバード・ビジネス・レビュー元編集長でもあり、“Thinkers50(http://www.thinkers50.com/)”という「最も影響力のある経営思想家」トップ50人にも選ばれた方です。

「イノベーションを創造するリーダーの条件」として、下記5つを挙げていました。

 

<イノベーションを創造するリーダーの条件>

① 周りの環境に注目する

 ・ 好奇心を持ってギャップを見出すことができるかどうか

② 新しいアイデアに対してオープン

 ・ 固執せずに、見方を変えることができるかどうか

③ ビジョンを描き、説明し、コミュニケーションをとる

 ・ ビジョンを明確に描けるかどうか

 ・(原稿を見なくても話せるくらい)情熱的に説明できるかどうか

 ・ 説明するだけではなく、ビジョンについてコミュニケーションできるかどうか

④ コラボレーションすること

 ・ パートナーを見つけ、共にイノベーションを起こすことができるかどうか

  (オープンイノベーション的なことができるかどうか)

⑤ 粘り強さ

 ・ いろいろな障害にもあきらめずに粘り強くできるかどうか

 

③にある“ビジョン”について、コミュニケーションできることが必要であると述べていたことが印象に残りました。

ビジョンを作ることや説明することまではできても、それで終わりとしている人が多いのではないかと思うからです。

 

また、④にある“コラボレーション(以下コラボ)”も印象に残りました。

自分たちだけで行うことに固執せず、コラボする。

“コラボ”、言うのは簡単ですが、本業で利害が絡んだものでもコラボするには、意識の転換が必要だと感じます。

 

内省への良い機会となりました。

SECIモデル

2014年10月17日 / 組織開発・人材開発

ナレッジ共有・情報共有がうまくいかない、どこに課題があるのだろうか・・・

個人商店化しているノウハウを組織の力にできないか・・・

 

今回は、ナレッジ・マネジメントで有名なSECIモデル(セキモデル)についてご紹介します。

野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)と竹内弘高氏(ハーバード大学ビジネススクール教授)が提唱したモデル図で、『The Knowledge Creating Company』(「知識創造企業」)で世界的に広く知られるようになりました。

 

SECIモデルは、個々が得た知識を組織の知識とし、その知識を創造し続ける仕組みとして提唱したものです。下記4つのプロセスがあり、SECIはこの4つの頭文字を取った言葉です。
■共同化(Socialization)

 個が日々の経験から暗黙知※を獲得し、伝達・共有するプロセス。[経験・共有]

  ※暗黙知:個別の経験を通して得られる信念や思いを含んだ主観的な知識。言語化しにくい。

■表出化(Externalization)

 得られた暗黙知から要因を探り、形式知※に変換するプロセス。[概念]

  ※形式知:普遍の言語や数値によって表現できる客観的な知識。

■連結化(Combination)

 形式知同士を関係付け、知識の体系化や新たな形式知を創造するプロセス。[体系]

■内面化(Internalization)

 連結化で得た形式知を基に、個人が実践を行い、その知識を体得するプロセス。[実践]

 

4つのプロセスをまわすことで、個と組織がともに新たな知を創造・獲得していくことになります。この知識創造の意義は、イノベーションに繋がることであり、その結果として競争優位に繋がることです。

以上が、SECIモデルの紹介です。

 

ナレッジ共有・情報共有がうまくいかない。個人商店化している。

それは、このプロセスのどこかに課題があるのかもしれません。

 

よくお聞きするのは、「連結化」や「内面化」がうまくできていないということです。

「連結化」や「内面化」が機能することで、経験・ナレッジ共有・マニュアル・スキル・ITシステム等が繋がり、意味あるものになります。

 

TASCIは、4プロセスの機能、上記の繋がりを支援したいと考えています。